エンジニア未経験の給与はいくらが妥当?良い条件で入社する交渉のポイント
2021年3月17日 掲載
未経験からエンジニアになりたいと思っても、「給与はいくら貰えるのか」「よい条件で入社できるのか」と不安なことも多いと思います。
エンジニアは高給の人も多いですが、未経験からではたいしてもらえないのではと考えている人もいるでしょう。
しかし実際は、未経験でもよい条件で入社できている人もいます。
ポイントは面接時の給与交渉です。
上手く自分が培ってきたスキルや経験をアピールすることで、たとえエンジニアとしての経験がなくても給与を増やすことができます。
今回はエンジニア未経験の場合、給与はいくらくらいが相場かを解説します。
加えて、よい条件で入社できるパターンや、給与交渉のコツに関しても紹介しましょう。
本記事を読むことで自分がどれくらい給与をもらえるのか、給与交渉するときはどうすればよいか、が分かるようになります。
未経験からエンジニアを目指す方は、ぜひ本記事をお読み頂けたらと思います。
1.よい条件で入社できる6つのパターン
良い条件で入社できる6つのパターンを紹介します。
- アプリエンジニア・・・ios、android が出来る人
- 良い会社に居た人
- 学歴が高い人
- その業界に居た方
- リーダーにいた経験がある人
- 実績を上げた人
これら6つに当てはまる人は未経験でも好条件で入社できる可能性があります。1つ1つのパターンを詳しくみていきましょう。
(1)アプリエンジニア・・・ios、android が出来る人
iOSやAndroidアプリの開発ができる人をアプリエンジニアと呼びます。
アプリエンジニアは現状エンジニアの中でも特に人手が不足しており、求人数が豊富です。
なぜ人手不足かというと、経験者の中でも意外とアプリ開発の技術を持った人は少ないからです。
たとえばAppleストアにアプリをリリースしたことがある人は、そこまで多くはないでしょう。
そのため、未経験でも独学でこういった経験をしておけば、給与交渉が有利になります。
スマホアプリの開発をやりたいなら、Androidの場合はKotlin、iOSの場合はSwiftを学ぶと良いです。
どちらも言語の中でも習得難易度が低く、未経験者でも独学で習得しやすいでしょう。
なお、アプリ開発分野では以前は、AndroidではJava、iOSではObjective-Cという言語が使われることが多かったですが、今では使われることが減ってきました。
KotlinやSwiftの方が学習コストは低く、コード量も少ないので効率的に開発できるからです。
Javaに関しては他の開発にも使うため学習しても良いかもしれませんが、Android開発をしたいならKotlinをおすすめします。
アプリエンジニアは高給を狙いやすいので、興味があるから勉強してみましょう。
(2)良い会社に居た人
以前大手企業が知名度のある会社に所属していた人も、比較的給与交渉がしやすいです。
たとえば富士通やNTTなどの上流工程のSEからエンジニアに転職する場合、有利になることがあります。
上流工程のSEはクライアントとのやり取りやプレゼン資料作成などの仕事がメインであり、開発作業をすることがないです。
しかし、上流工程で身につけたヒアリング能力やマネジメントスキルは、Web系エンジニアでも役立ちやすいでしょう。
良い会社に居た人はこういった能力をアピールすることで、初任給でも400万以上狙えるかもしれません。
ただ、元々それぐらいもらっていた人も多いと思うので、開発作業をメインに行いたい人が転職するという感じになってくるでしょう。
(3)学歴が高い人
エンジニア職は学歴よりもスキルによって評価されるイメージがあります。
確かに学歴が低い人でも優れた開発実績があれば高給を狙えるでしょう。
しかし、学歴が全く関係ない訳でもありません。
学歴が高い人には、専門用語の知識を持っていることが期待されます。
また、ビジネスパーソンとしての基礎力が高いと受け取られることも多いです。
学生時代にコツコツを勉強してきた人は、自己管理能力やスケジュール管理能力が高いと見做されやすいです。
学歴が高い人はそういった能力をアピールすることで、未経験でも給与を増やせるかもしれません。
ただし、転職してから給与を上げるためには、その会社での実績が鍵となってきます。
ちなみに、基本情報技術者試験などIT系の資格有無はそこまで給与と関係はありません。
資格手当がもらえることはありますが、月1~2万円程度であることが多いです。
資格はあくまで自分のスキルアップのために獲得するのが良いでしょう。
(4)その業界に居た方
他業界に勤めていた人はその経験をアピールしないともったいないです。
なぜなら、他業界の経験はエンジニア職でも役立つことが多くあるからです。
たとえば飲食業界で働いていた人なら、飲食向けにサービスを展開しているIT企業に転職しやすいでしょう。
銀行に勤務していた人は、金融業界向けのシステムを開発している企業に転職できるかもしれません。
その業界に所属していた人でないと知らない知識があるはずです。
そういった知識があれば、その業界の人が使いやすいアプリを意識して設定できるでしょう。
他業界に勤めた経験も惜しみなくアピールすることで、未経験でも給与をアップさせられます。
(5)リーダーにいた経験がある人
リーダー経験やアルバイト社員をまとめた経験がある人もよい条件で入社できる可能性があります。
なぜならリーダー経験のある人はエンジニアに転職することがなく、希少性が高くなれるからです。
チームをまとめた経験がある人は、コミュニケーション能力が高いと見做されることが多く、顧客とのやり取りなどエンジニアが苦手とされる仕事を任せてもらえます。
また、部署メンバーが働きやすい雰囲気作りに貢献してくれることも期待されます。
リーダー経験をアピールするなら、チームをどんな風にまとめ、それによりチームの働きぶりがどう変わり、明確にどんな結果が出たか話すと良いです。
リーダーにいた経験がある人は積極的にアピールしてみましょう。
(6)実績を上げた人
他の仕事で優れた実績を上げた人も給与交渉で有利に立てるでしょう。
たとえば前職で優れた営業成績を叩き出したなら、エンジニア転職する場合でもアピールポイントになります。
営業経験者はコミュニケーション能力やマネジメント能力が優れていると見做されやすく、やはりエンジニアが苦手とする顧客交渉などの分野を任されやすいです。
実績を話す場合、営業職以外にも凄さが分かるように話すことも重要です。
昨対比や目標達成率、社内順位など、どれほどの難易度かわかる事実を話しましょう。
また、結果を出すためにどんな工夫をしたか、それにより周囲の評価はどう変わったか、など話すと良いです。
営業ではなく経理の場合は、業務改善提案によりどれだけコストが削減できたか、などアピールしましょう。
このようにどのように実績でも上手くアピールすれば、エンジニア未経験でもう給与を上げられます。
2. 給与交渉でのポイント
いくら優れたアピールポイントがあっても、給与交渉の術を知らなくては太刀打ちできません。
給与交渉は意外と嫌がられないものなので、未経験でも積極的に行いましょう。
採用する側もいくらで雇うべきか迷うことが多いですし、双方納得が行ってから採用したいと考えているので、こちらの希望を話すことも重要なのです。
給与交渉でのポイントを紹介します。
ポイントは大きく分けて次の4つです。
- 他に転職できる会社がある状態で交渉する
- 企業側が何を求めているかを分析する
- 前職と同じくらい欲しい、という交渉の仕方はNG
- 自分の市場価値を示す
これら4つを意識することで給与交渉の成功率がアップします。1つ1つのポイントを詳しく解説しましょう。
他に転職できる会社がある状態で交渉する
基本的には他に選択肢が複数ある状態で交渉しましょう。
「給与を上げてくれないなら他に行きますよ?」という状態にしておきます。
この状態でないと中々強気に給与交渉できず、つい妥協してしまいがちです。
企業側が何を求めているかを分析する
企業がその人を欲しいと思わないと、給与交渉以前に採用してくれません。
技術がマッチしていなかったり、能力が足りていなかったりすると厳しくなります。
企業側が何を求めており、どんな話に食い付くかを分析することが大切です。
たとえば、○○という技術を欲している会社なら、その技術に関して独学したことがあることを示すなど。
その場でアピール内容を思いつくのは難しいので、事前にリサーチを行い、会社が求めているものを理解しておきましょう。
「転職会議」というクチコミサイトには、企業の面接を受けた人のクチコミも書かれていますので、読むと面接対策になります。
また、専門性の高い転職エージェントに相談することで、会社が欲している技術内容を担当者から教えてくれることもあります。
このような方法で、企業側が何を求めているかを分析しましょう。
前職と同じくらい欲しい、という交渉の仕方はNG
前職では年収500万もらえたから同じぐらい欲しい、という交渉方法はよくありません。
雇われる側としては最低でも同程度の給与にして欲しいところですが、それは雇われる側の都合です。
給与交渉する場合、雇われる側の視点に立って考えることが重要です。
雇われる側の視点から考えると、「前職とは会社の規模もビジネスモデルも職種も異なるのに、なぜ同じ金額を要求するのか」となってしまいます。
このような交渉の仕方をすると、ビジネスのことを分かってないと思われマイナスになるのでやめましょう。
自分の市場価値を示す
ではどのような給与交渉をすれば良いのかというと、「自分の市場価値を示す」がポイントです。
たとえば、「現在選考を受けている他の企業では○万円でオファーが出ています」など、その人の価値を客観的に示すのが良いでしょう。
また希望給与を提示する場合は、最高額、中間、最低額の3つを提示するのがおすすめです。
このように提示すると、雇われる側から見て基準がすごく分かりやすくなります。
ほかには、「子供が4人いて妻からは○万円程度は欲しいと言われています」など、自分の家庭環境を話してみるのも判断基準が明確になりやすいです。
企業が検討しやすいような情報を揃えることが重要です。
3.未経験はいくらが妥当?
未経験でも面接では「希望年収はどのくらいですか?」と聞かれるので、給与交渉の準備はしましょう。
プログラマー未経験の場合、給与は一般的には300万円~350万円であることが多いです。
特に際立ったアピールポイントがない場合、やはりこれぐらいになってしまいます。
エンジニア職は最初の半年程度は企業に全く貢献できず、戦力にならないことが多く、雇う側からしたら多くの給与を支払いたくないでしょう。
ただ、上で挙げた6つのパターンに該当する人は、欲張って400万円は目指したいところです。
ポテンシャルが見込まれる人は、しばらく戦力にならなくても給与を多く払いたいと思います。
未経験の場合、学習意欲の高さをアピールするのも重要です。
「土日に5時間勉強します」などではなく、「技術ブログを毎日更新します」「○月までに新しい技術を習得します」などやることを具体的に話す方が良いです。
給与交渉が上手くできるか不安な場合は、転職エージェントに登録するのもありです。
エージェントに登録すれば担当者に給与交渉を依頼できます。
担当者は転職のプロですので、過去の採用実績から給与相場を把握しています。
つい給与交渉で弱腰になってしまうタイプはエージェントに任せるのもおすすめです。
まとめ
本記事ではエンジニア未経験の給与について解説しました。
良い条件で入社できるパターンや給与交渉の方法がお分かり頂けたかと思います。
本記事で挙げた6つのパターンに当てはまっている人は、積極的にアピールし給与アップを目指したいです。
- アプリエンジニア・・・ios、android が出来る人
- 良い会社に居た人
- 学歴が高い人
- その業界に居た方
- リーダーにいた経験がある人
- 実績を上げた人
アピールするものがない場合、最初から高給を得るのは厳しいのが現状です。
プログラミングスクールの乱立により未経験エンジニアは多くあふれており、相場もかなり下がっています。
とはいえ一度経験を積んでしまえば、引く手あまたになりますので、最初のうちは低くても耐えないといけない期間があるというのが僕の持論です。