フリーランスとして良い企業の見分け方

クライアントフリーランス案件獲得

2021年3月17日 掲載

フリーランスエージェントに登録していても、どの案件に応募するか最終的に決めるのは自分です。

フリーランスは本当にその企業で良いか、しっかり見極めることが重要でしょう。

報酬額などは事前に提示されますが、会社の雰囲気はどうなのか、その会社でスキルアップできるかなどは、契約内容などを見ても分かりません。

良くない企業を選んでしまうと、フリーランスとして成長していくことの妨げになる恐れもあるでしょう。

そこで本記事では、悪いプロジェクトに当たらない為にしっかりした会社(良い会社)の見分け方を紹介します。

見分けるポイントは大きく分けて4つです。

  • 出戻り社員がいるか
  • 売上に対する従業員数を見る
  • 商流の深さ
  • 口コミを調べる

これら4つを契約前にリサーチすることで、良くない企業を選ぶ確率を減らすことができます。

案件選びに困っているフリーランスの方は本記事を参考にし、良いプロジェクトを選べるようにしてください。

それでは1つ1つのポイントを詳しく解説していきましょう。

(1)出戻り社員がいるか

出戻り社員がいるか?

まず確認すべきなのは、その会社が出戻りを歓迎しているかという点です。

一度辞めた会社に再び入社することを出戻りと言います。

実はIT企業では「出戻り採用」を行うケースが結構多いです。

ただ、会社側が出戻りを歓迎しても、エンジニアが全く戻ってこないこともあります。

エンジニアは前職に戻ることが自分にとってプラスになるか、合理的に判断することが多いです。

スキルアップができるか、給料が高いか、居心地が良いかなど、今の会社と照らし合わせた結果、損と判断した場合は戻ってきません。

そのため、社員が積極的に出戻りしない会社は、あまり良くないケースが多いです。

フリーランスが常駐する場合も、こういった会社は避ける方が良いと思われます。

また、そもそも出戻り社員を歓迎しない会社は、一度辞めた社員は裏切り者だと考えていることもあり、こういった会社も避けた方が良いでしょう。

契約前の面談で「過去に在籍した社員で御社に戻ってきた方はいますか」など質問するのがおすすめです。

面談はフリーランスエンジニアが企業について詳しく知れるチャンスと考えるべきです。積極的に質問しましょう。

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会社で出戻り社員を採用する理由

なぜ会社は出戻り社員を積極採用するかというと、新しくエンジニアを雇うのはコストがかかるからです。

1人を採用するのに約100万~200万かかると言われています。

転職エージェントや転職サイトに求人を出す場合、高い費用がかかってしまいます。

その上、エンジニアを雇う場合技術的なミスマッチが発生しないよう、何回も面接を行い長いスパンをかけて採用する必要があります。

出戻り社員なら、どんな技術を持っているか、人間性はどうかなど予め分かっており、すぐに採用可能です。

こういった理由で、出戻り社員を歓迎する企業が増えているのです。

(2)売上に対する従業員数を見る

プロジェクトを選ぶ前に、その会社の売上面を確認した方が良いです。

売上を確認する理由は「その会社が儲かっているのか」「従業員に適切にリターンを返しているか」を確認するためです。

会社がフリーランスに仕事を受注する場合、クライアントとなる会社から開発料金を受け取り、そこから企業が取り分をもらって、残った金額からフリーランスにお金を支払うことになります。

儲かっている会社は、それだけフリーランスにお金を支払う余裕ができます。

会社の年間売上はホームページで簡単に確認できます。

IR情報などを見ると去年以前の売上まで見ることが可能です。

売上を見る際は従業員数と照らし合わせ「従業員1人あたりの売上はいくらか」を見るのがコツです。

たとえば売上が100億で従業員数が1,000人だと、100億/1,000人で1人あたり1,000万円の売上になりますね。

会社の経費や社会保険料、年金などもあるため、コストを差し引けば1,000万円の場合1人に報酬として与えられるのか年間500万円(月40万)ぐらいでしょう。

この月40万という数値が、フリーランスにとってもプロジェクト選びの基準となります。

儲かっている会社でも、従業員やフリーランスに高い報酬を支払わない企業は多くあります。

そういった企業は、このような方法で見分けることが可能です。

提示された報酬額が月40万より明らかに低い場合、エンジニアに満足なリターンを返していない企業の可能性があります。

そういった企業に搾取されないためにも、売上を確認することが重要です。

また、そういった企業は社員が不満を持ち、モチベーションが下がっていたり、社内の雰囲気が悪くなっていたりするケースもあり、快適に作業するためにも避ける方が無難でしょう。

会社の売上と従業員数を照らし合わせることで、こういった会社の状況を推測することが可能です。

後は企業との面談時に「御社はいくらの単価で仕事を受けていますか」と質問するのも有効です。

中には単価を教えてくれなかったり、「そういうことを聞くのは失礼だ」と怒る企業もあります。

そういった企業は、隠さなければいけない事情があったり、エンジニアに支払う報酬も低かったりするケースが多いです。

こういった方法で、エンジニアを搾取する企業でないか、確認するのがおすすめです。

(3)商流の深さ

商流が浅いプロジェクトの割合を確認しよう

フリーランスエンジニアやSESとして働いている人にとって、大事になってくるのが商流の深さです。

なるべく商流が浅いプロジェクトを選ぶ方がメリットが多いです。

プロジェクトの中には、元請けとなる企業から直接依頼を受ける場合と、元請けと契約した仲介会社から間接的に依頼を受ける場合があります。

後者の場合仲介会社がマージンを中抜きするので、その分報酬が減ってしまいます。

場合によっては仲介会社が2~3社いることもあり、何度も中抜きされてしまうケースもあります。

加えて、商流が深いプロジェクトでは下流工程の仕事ばかりで上流工程に携わることが難しくなります。

上流工程の仕事は仲介会社が行ってしまい、下流工程の仕事しか残らなくなるからです。

要件定義や設計書作成などの上流工程の仕事は単価が高いので、フリーランスの方は早めにそれらの経験を積んでスキルアップする方が良いでしょう。

また、元請けから直接仕事を受けられない企業は、会社として成長していなかったり、営業レベルが低いということでもあります。

更に、商流が深いプロジェクトは企業同士のやり取りが増えるため、採用決定まで時間がかかることも多いです。

面談に回数も多くなってしまい、フリーランスエンジニアにとってマイナスしかないでしょう。

こういった企業のプロジェクトは、できるだけ断るようにした方が良いです。

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商流の浅いプロジェクトに配属する方法

そうは言っても、商流の浅いプロジェクトに中々配属できない方も多いです。

商流の浅いプロジェクトは他のエンジニアも狙っていますので、取り合いになりがちです。

特に駆け出しの内は商流が深いプロジェクトで、エンジニアとして実務経験を地道につむより他ないことも多いでしょう。

商流が浅いプロジェクトではマネジメントスキルなども必要ですが、こういったスキルは実務をこなさないと獲得が難しいです。

ある程度経験を積んだら、商流の浅いプロジェクトが多いフリーランスエージェントを利用するのがおすすめです。

たとえば「レバテックフリーランス」や「Midworks」、「PE-BANK」などは、比較的商流の浅いプロジェクトが多いです。

特にサイトに公開されていない「非公開案件」の場合、エンド直請けなど条件が良いことが多いので狙い目です。

また、エージェントの担当者に「商流はどうなっていますか?」と聞いてみるのもおすすめです。

大抵の場合教えてくれる筈です。

こういった方法で商流の浅いプロジェクトに配属できるようにしましょう。

商流飛ばしはしてはいけない

注意点ですが、仲介会社を飛ばし元請けから直接仕事をもらう「商流飛ばし」は絶対に止めましょう。

商流飛ばしを行うと、仲介会社にお金が入らなくなります。

商流飛ばしは契約書の中に禁止であることが基本的に書かれています。

場合によってはペナルティーが生じることもあり、契約が打ち切られるだけで済まなくなります。

また、商流を飛ばしたことがバレた場合、他の会社にも情報が広まってしまい、取引をされなくなる恐れもあります。

報酬額が増えるためといって商流飛ばしはタブーですので、気をつけましょう。

(4)口コミを調べる

企業の口コミを調べよう

良い企業を見分ける最後の方法は、企業のクチコミを調べることです。

特に「openwork」や「転職会議」といったクチコミサイトには多くのクチコミが投稿されており、参考になります。

主にその会社を退職した人がクチコミを書いています。

求人情報では分からない、会社のリアルな雰囲気や残業の有無、将来性、上司の指示の正確さなどが分かるでしょう。

ほかにも、仕事のやりがいや福利厚生、研修制度について知ることができます。

また、上記で解説した「出戻り社員がいるか」もクチコミサイトで確認できる可能性があるでしょう。

こういったサイトは転職する人向けですが、フリーランスエンジニアにも役立ちます。

クチコミを閲覧するには自分も会社のクチコミを書く必要がありますが、そこまで時間はかかりません。

前職の会社の様子を思い出しながら書きましょう。

ただし、クチコミの中には信憑性が薄いものや、客観性にかけるものもあります。

そのため、いくつかのクチコミを照らし合わせながら企業の良し悪しを見定めましょう。

また、企業が良い評判を水増ししている例や、悪い評判を削除している例もあります。

弁護士に相談をすれば悪い評判を削除できないこともないです。

悪い評判ばかりだと採用活動に関わりますので、企業側も対策を立てているのです。

こういった例にも気をつけながらクチコミを確認していきましょう。

口コミサイトに登録する場合、企業からのスカウトメールが大量に届くので、届かないよう設定しておくことをおすすめします。

また、取引先から見た目線、をチェックする場合は、5chなどの匿名掲示板も役立つことがあります。

ただ、匿名な分情報の信憑性は薄くなるでしょう。

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(5)福利厚生が充実しているか。

これは募集要項などでも確認することができますが、福利厚生が充実している企業は優良企業である場合が多いです。社員に対する福利厚生が充実している企業はクリーンである傾向にあります。これはIT業界に限らず当てはまる傾向ですので、覚えておいて損はないはずです。ただし、注意点として、中小企業やベンチャーの方が大手企業よりも福利が充実していある場合があります。福利がどの程度充実しているかで優良企業の度合いを判断するというより、あくまで福利厚生が自分で定めた最低ライン以上のものであることをチェックする方がいいでしょう。

まとめ

まとめ

本記事ではフリーランスとして良い企業の見分け方を解説しました。

どういった点に着目してプロジェクトを選ぶべきか、お分かり頂けたかと思います。

改めて着目すべき点をおさらいしていきます。

契約する前には、その会社に出戻り社員がいるかを確認しましょう。

エンジニアが戻ってくる会社は、従業員に対してのサポート体制が良かったり、社内の雰囲気で良かったりするケースが多いです。

そういった企業はフリーランスにとっても良い企業と言えるでしょう。

また、会社の売上を確認することも大事です。

「売上/従業員数」で「1人あたりの売上」を確認し、報酬額と照らし合わせて高いか低いかをチェックしましょう。

1人あたりの売上と報酬額が釣り合っていない場合、良くない会社である可能性があります。

更に、フリーランスエンジニアやSESが確認すべきなのは商流の深さです。

商流が深いプロジェクトは、仲介会社が何件も挟まってマージンを取られてしまう上に、連絡が遅くなるなどデメリットだらけです。

商流が浅いプロジェクトに参画するために、エンド直請け案件を多く保有するエージェントを選択しましょう。

最後に、口コミサイトなどで働いている人のクチコミを調べることもおすすめです。

会社のホームページでは分からないリアルな状態を知ることができます。

参画する前に会社の状況をある程度調べることが可能です。

企業担当者のことを鵜呑みにせず、自分で調べる習慣をつけたほうがよいです。

本記事が企業選びに迷うフリーランスの方にとって有意義なものとなれば幸いです。

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